“I couldn’t agree more.”
この英文の意味がわかりますか?「賛成できない」という意味ではないですよ。
実は、「大賛成」という意味です。
非常に紛らわしいので気をつけたいですね。
きちんと考えると、「大賛成」という意味がよくわかります。
おさらい “agree”の意味
まずは基本に立ち返って「賛成です」は “I agree.” ですね。「あなたに賛成です」という時は “I agree with you.” です。
反対に「賛成できない」という時は “I can’t agree.” です。
ここまではいいですね。
“I couldn’t agree more.”の意味
“I couldn’t agree more.”の意味は「大賛成」ですが、否定形なのに日本語訳は肯定というのが紛らわしいです。
ですが、よく見ると could, not, more を使ってるところが怪しいですね。
could は仮定法過去の could
この “could” は仮定法過去の “could” です。
仮定法過去と言われても、「ifが無いじゃないか」と思うかもしれません。
実は “even if” の文節が省略されていて、「いろいろな条件が整ったとしても〜できない」というニュアンスがあります。
例えば、省略しないと
I couldn’t 〜 even if i wanted to.
のように「私が望んだとしても、〜できない」という意味になります。
not + more は最上級
さて、それではもう一つ怪しい “not” と “more” の方について。
agree moreは「もっと同意する」「それ以上に賛成する」という意味です。これが否定形になると
“I couldn’t agree more” は「(例えいろいろ条件がそろったとしても)これ以上賛成できない」という意味です。
つまり、最上級に賛成しているので「大賛成」という意味になるのです。
否定形+比較は最上級
実は否定形+比較は最上級になる場合があります。
It can’t be better. 「これよりよくはならない(最高だ)」
ちょっと変形ですがこれもですね。
No one is taller than he in the class. 「このクラスでは誰も彼より背が高くない(彼は背が一番高い)」
言葉って面白いですね。
couldn’t ではなく can’t ではダメか?
ところで、couldn’t ではなく、現在形で
“I can’t agree more.”
では同じ意味にならないのでしょうか?
答えは、同じように「大賛成」となります。
ですが、couldを使った仮定法のように「例えいろいろな条件がそろったとしても」というニュアンスは弱くなります。
厳密に言うと「いまの状況で大賛成」といったニュアンスで、将来別の条件が出た時に大賛成ではなくなる可能性を含みます。
まとめ
いかがですか?
“I couldn’t agree more.” が「大賛成」というのがわかりましたね。
仮定法過去と否定形+比較の組合せということがわかったと思います。