今話題のTOEIC presents English Upgrader (以下 English Upgrader)が本当に使えるのかレビューします。
まず、このアプリはTOEICを運営するETS(国際ビジネスコミュニケーション協会)の無料公式アプリです。iPhone、Androidで使えます。
同協会がポッドキャストで公開している音声をベースに、リスニング問題やフレーズの学習ができるようになってます。
公式アプリですし一見かなり良さそうですが、「コンテンツ内容はTOEICの内容とは関係ない」と堂々と開き直ってます。
実際どうなんでしょうか?徹底検証していきましょう!
料金
無料です。追加課金もなく、公開されているエピソードは全てダウンロードできます。
主な機能
リスニングコンテンツがエピソード毎に構成されています。
1エピソード2分くらいの音声がついてて、リスニングモードとクイズモードが選べます。
リスニングモードでは、英語のスクリプトと日本語訳を切り替えて見ることができ、初心者でも分かりやすいです。
内容ははTOEIC Part3のような会話形式とPart4ようなアナウンス形式です。
話すスピードが若干ゆっくりめで、TOEIC本試験よりも遅いような気もします。
再生速度を調節できると良いのですが、これからに期待です。
クイズモードでは、リスニング内容の理解度チェッククイズとフレーズの意味に関するクイズが出題されます。
内容理解度クイズはまさにTOEICのような問題ですが、本試験は4択なのに対しこのアプリでは3択ですし、そもそもETSは「TOEICとは関係ない」と言っているところが微妙です。
回答直後に正解が分かるので、一度回答すると正解を覚えてしまいます。
その結果、反復演習ができないので、理解度チェッククイズは一回目に全力で回答すると良いです。二回目からは答えを覚えてしまうので注意が必要です。
フレーズテストは、日本語訳を回答する形式で、日本語訳から英語表現を答えるパターンがないので、英語の表現を覚えるのにはイマイチです。
ですが、使用例の英文や音声が付いているので、聞き取りの練習には効果があると思います。
ボリューム
2015年5時点で約60エピソードあります。
随時追加されているのでこれからも増えますが、追加のスピードは遅いので、一通りのエピソードをやりきるまでが勝負でしょう。
しかし、120分を超える音声とそのスクリプトやフレーズ集がついていることになるので、ボリュームは十分すぎるくらいあると思います。
その他の機能
フェーズ集
ダウンロード済みのエピソードに含まれるフレーズを一覧で見ることができ、発音と使用例も分かるようになってます。
しかし、いわゆる単語帳アプリと比べると、単にリストで見れるという感じなので、学習用としては今ひとつです。
「お気に入り」チェックという単語帳としては謎の機能がありますが、記憶済みチェックと置き換えるといいと思います。
TOEIC受験スケジュール管理
TOEIC受験を逃さないよう申込開始と締切間近に教えてくれる機能がついてます。
さすがに受験日は忘れないのですが、申込締切は忘れがちですよね。
この機能があれば申し込み忘れを防止できそうです。
TOEIC対策に有効か?
正直微妙です。
理由
・音声が若干遅い
・クイズが3択
・すぐに正解が分かるクイズは繰り返し使えない
・そもそもETSが「TOEICとは関係ない」と言っている
本当にTOEICで点数を上げたい人には、これを使うより公式問題集を勧めます。
どんな人に効果的か?
何と言っても無料で、英語スクリプトと日本語訳を見やすく、ボリュームも十分にあるので、TOEICをこれから受けようか考えている人や、単純にリスニング力を強化したい初級の方にはお勧めです。
朝にエピソードをダウンロードして、電車の中で日本語訳を見ながら繰り返し聞く、といったリスニングの練習に使えます。
フレーズも勉強できるのでいいです。
ただしすでに書いた通り、TOEICの問題がこの通りだと思うと危険なので、いざTOEIC受験を決めたら試験対策は別にしてください。
(公式問題集を勧めます)
いかがでしょうか。
ちょっと辛口レビューですが、初級の方がリスニングの練習をするにはよいアプリだと思うので、興味がある人は使ってみてください。